リドルストーリー また別の話

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組長の娘と恋仲になったおれは、殺されることとなった。
だが最後のチャンスとして二つの扉のどちらかを開け、美女が入っていれば助かるが一生をその女と過ごす。
片方の扉にはヒットマンがいて、その場で撃ち殺される。

おれは娘を見た。右手をそっと上げた。右の扉を開けた。ヒットマンが入っていた。
バキューンと銃声が、おれの脇を掠めた。ヒットマンの目がおれに逃げろと言っている。事情を察した組長の娘もおれについて来た。

おれたちの逃避行は続いている。さすが組長の娘だ。あそこでヒットマンを選ぶとは肝が据わっている。美女を選んでいたら、侮辱されたような気になっていただろう。
ヒットマンも元々組長の非情さを、腹に据えかねていたのだろう。

それにしても、弾丸が脇を掠めたときはさすがのおれも肝を冷やした。他の女に行くくらいなら、死ねという彼女の愛情表現だったのだろう。おれは一生この女を、裏切れないと思った。
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公開:22/08/28 00:14

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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