告白

愛車のバイクにまたがり、勢いよくエンジンをかける。
「……はぁ」
しかし、アクセルを回して走り出したところでため息が出た。これから自分がやろうとしていることを考えると気が重かったのだ。だが、いつまでもこうしているわけにはいかない。俺はハンドルを握る手に力を込めると、目的地へと向けてバイクを走らせた。
「おーい、悠悟～！」
俺の姿を見つけるなり、ぶんぶんと手を振ってくる男がいた。それは、親友である大志だ。彼は満面の笑みを浮かべながらこちらへ駆け寄って来ると、「よう！ 久しぶりだな！」と肩を組んできた。
「あぁ、そうだな……」
「ん？元気ないな。どうした？」
「ちょっと色々あってさ……」
「どうした？」
「今日、俺が」
「うん」
「……お前の彼女に告白するかもしれないんだ」
そう言うと、大志の顔から笑顔が消えた。そして数秒後、彼は口を開いた。
「ついにあの事を言う時が来たんだな」
「ああ……」