父親
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「燐火、聞いてくれ。お前の本当の父親は……」
「イヤだ。聞きたくない。聞きたくない。私の本当のお父さんは……」
「俺が殺したんだ」
その言葉を聞いた瞬間、燐火の瞳から大粒の涙が溢れ出した。そして、堰を切ったように泣きじゃくり始める。
「うわぁあああん!やだよぉおおお!」
燐火は両手で耳を押さえてその場にしゃがみ込んだ。しかし、どれだけ強く押さえても、少女の声は指の間を通り抜けて彼女の耳に届いてしまうのだ。
「ごめんな。でも、俺はもうあの男に縛られるのは嫌だったんだ。だから……だから……」
「違うもん!お父さんはそんなことしないもん!お父さんは優しい人なんだもん!」
燐火はしゃくり上げながら叫ぶと、そのまま顔を覆って泣き続けた。
「…………」
「アイツを殺した後、まだ小さな赤ちゃんがいた事を知った。この子には何の罪もない。だから俺が変わりに父親になったんだ。お前は俺にとって本当の娘だ」
「イヤだ。聞きたくない。聞きたくない。私の本当のお父さんは……」
「俺が殺したんだ」
その言葉を聞いた瞬間、燐火の瞳から大粒の涙が溢れ出した。そして、堰を切ったように泣きじゃくり始める。
「うわぁあああん!やだよぉおおお!」
燐火は両手で耳を押さえてその場にしゃがみ込んだ。しかし、どれだけ強く押さえても、少女の声は指の間を通り抜けて彼女の耳に届いてしまうのだ。
「ごめんな。でも、俺はもうあの男に縛られるのは嫌だったんだ。だから……だから……」
「違うもん!お父さんはそんなことしないもん!お父さんは優しい人なんだもん!」
燐火はしゃくり上げながら叫ぶと、そのまま顔を覆って泣き続けた。
「…………」
「アイツを殺した後、まだ小さな赤ちゃんがいた事を知った。この子には何の罪もない。だから俺が変わりに父親になったんだ。お前は俺にとって本当の娘だ」
公開:22/08/28 09:57
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・SSG投稿作品1500作品突破
・作詞を担当
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富本アキユ