しーっ、静かに

0
3

朝、台所に立つ。餌をねだる愛犬を「しーっ、静かに」と宥める。
そっと寝室を見ると先輩がまだ眠っていた。ちょっと苦しそうな表情なのは飲み過ぎたお酒が原因だろう。
先輩は昨夜の飲み会で私に注がれる酒を代わりに飲んでくれた。
「若くて可愛い女の子に大量の酒を飲ます男にロクな奴はいない」
そう言ってロクでもない男性社員から私を守ってくれた。その結果、先輩が酔い潰れてしまった。
もう!先輩はカッコいい女性なんですから気を付けて下さいよ。
いつもは守られる私が、昨夜の帰り道は守る側になった。先輩を、私の家に泊めた。
先輩、驚いてくれるかな?
私、先輩が犬好きだって言うから飼い始めたんですよ。部屋のインテリアだって先輩の好みに合わせました。料理だって、先輩の好きな味付けを覚えたんですよ。
先輩、喜んでくれるかな?
先輩、私を好きになってくれるかな?愛してくれるかな?
先輩。黙ってないで、答えて欲しいな…
恋愛
公開:22/08/25 20:43

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容