ある運命

付き合って一年になる彼女は、私は勘がいいという。例えば両親からのプレゼントはこれが貰えると思っていたら、その通りになったとか就活もA社は落ちるがB社は受かると思っていたら、その通りになったと話してくれた。その程度のことは誰にでもあるだろうと、おれは軽く聞き流していた。

彼女が私は今年中に死ぬと思うと話してきた。おれは一応病院に行っておくかとアドバイスした。
そうしたら本当に不治の病だと判明した。日本では対処できる医師がいないらしい。

おれはネットなどを駆使して、アメリカに彼女を治すことができるかもしれない医師がいることを突き止めた。
おれは彼女と二人でアメリカに向かった。

おれの愛の力で運命を変えてみせるのだと意気込んでいた。しかし乗っていた飛行機が着陸に失敗して、爆破炎上した。
乗客全員が死んでしまった。
こういう運命だったのだろうか。それとも本来なら彼女一人だけが死んでいたのか。