まあいいかスプレー

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隠蔽体質、偽装工作がまだどの企業でも多い。そこで隠蔽や偽装をそれと認識しない、スプレーが開発された。
どういうことかというと、そのスプレーを製品に掛けるとその製品を見た人は、それがいい物だと思い込んでしまう。取引先の会社も商品を買った人も、それが不良品だとは気づかない。

これは便利だということで、企業は高額でもあるにも関わらずスプレーを買い漁った。取引先とのクレーム問題もほとんど無くなり、スムーズなやり取りができるようになった。

しかし消費者の買う製品が前より壊れやすくなった。事故も増えた。変に思いながらも、まあいいかどうせ事故で死ぬのも病気で死ぬのもいつか死ぬのだから同じだよねと、どこかみんなピントのずれた考え方をするようになっていた。

労働者のストレスは、以前より格段に減った。神経をすり減らして毎日働いていたのに、その必要が無くなったからだ。
家庭も円満になった。
その他
公開:22/08/27 01:33

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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