履歴書

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今日は、バイトに応募してきた子の面接だ。良い子だったらいいな。元気よく挨拶をして面接に来た事を告げてくれた。感じの良い子だ。
「まあ座ってよ」
そう言って椅子に座らせて面接を開始する。受け取った履歴書を確認する。ふむ、大学は結構良いところを出ている。その後、証券会社勤務。三年間の経験の後に退職。そして現在は、証券会社時代に培った知識を使い、投資家として投資をしながらお金を稼ぐ日々。
「……君がとても立派な経歴を持ってるのは分かりました。でもね……うちパン屋ですよ?」
「はい。パンが作りたいんです」
「なぜですか?」
「私は株式投資をしていて思ったのです。世の中お金ではないと。美味しい物を食べる事こそが人生で最も価値があると。ですから美味しい物を提供できるパン屋さんに魅力を感じ、特にここのパンは絶品で……」
堂々と言うその志望理由に、しかしあまりに優秀過ぎる彼だが、雇ってみる事にした。
公開:22/08/23 09:24

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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