落としの源さん

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取調室に通された俺は、黙秘し続けた。黙ってれば勝ちだからだ。
「いい加減にしろ!!そろそろ吐いちまったらどうだ!!お前がやったんだろう?」
「…………」
「チッ……」
「おい、交代だ」
「源さん!?」
落としの源さんと呼ばれた名刑事が現れた。俺は絶対に黙秘し続けてやるぜ。
「ねえ。あんた、なかなか良い顔してるじゃない。あたし、あんたの事タイプよ」
「げっ……」
源さんは、まさかのオネエキャラで攻めてきた。
「と、まあこれが俺の本性だ。刑事をやったその後は、夜の街のオカマバーで働いている。俺はお前に秘密をひとつ打ち明けたぜ。お前も一つ、秘密を打ち明けてくれよ」
「嘘つくんじゃねえよ」
「あっ、やっと喋ってくれた。うんうん、そうやって声聞かせてくれると嬉しいな」
今度は優しく甘い声を出して、俺を褒めてきた。チッ。やりづれえなあ。ペースを乱される。俺は気づけば罪を白状してしまっていた。
公開:22/08/23 09:13

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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