コップ池のブチ子

コップ型の貯水池がある。
「本当にシーラカンスいるの？」
友達がこの池で見たなんていうから、僕らは立入禁止の池へと釣りにきた。
『そこの少年たち、コップ池から離れなさい！』
池のふちを全速力で走るお姉さん。
「お姉さんこそ誰？」
『コップ池沿岸警備隊のブチ子よ』
池のふちでポーズを決めるブチ子さん。
「大袈裟だよ」
『この池は神秘的で危険な池。様々な時代の海と繋がっているの』
ブチ子さんが試しに釣り糸を垂らすと、アンモナイトが釣れた。
「古代生物のガチャみたい！あそこにも何かいる」
水面に黒い影が浮かぶ。
『まずいわ』
ブチ子さんは池のふちで銃を構えた。
直後、池から超巨大魚が姿を現し、僕らはずぶ濡れに。
『迷い込んだのね、メガロドン。さぁ、ブチ上げるわよ』
ブチ子さんは照準を合わせ、電撃を放った。
メガロドンが元の時代へ引き返し、静寂が戻ると、コップ池が割れんばかりの歓声を僕らはあげた。