ゴーストライター

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俺は新進気鋭の作家。
実は背後にゴーストライターがいる。いや、本当に文字通りのゴースト、幽霊に憑りつかれた俺が書いている。

だから有名になったのは確かにやつのおかげなのだが、今では疎ましい気持ちが日増しに高まっていた。
なぜって原稿を書く時に記憶がなくなるのは仕方ないとしても、美味しいものを食べるとか、カノジョとの営みとか、快楽の時間の度に現れ、俺の楽しみを奪うからだ。

そして最近、幽霊がゴーストライターの存在を明かせと脅してくる。隠すのであれば呪い殺すと。俺がチヤホヤされるのが気に入らないらしい。

俺だって作家になることを望んだわけでもないし、できるものなら明かしてやりたい。でも他の人には見えない存在を訴えたところで誰が信じるだろうか?

おまえを見ていると、屍のように生きるよりも幽霊として誰かに乗り移って好き放題する方が楽しそうな気がしてきた。
いっそ呪い殺してもらおうかな。
ホラー
公開:22/08/20 11:05
更新:22/08/20 14:18

ナユセナユ

どんでん返しが好き。ちょっとずつ書いていきたいです。

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