英雄だらけの国

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この国は英雄が沢山いる。魔王から世界を救った英雄。ドラゴンから世界を救った英雄。医療で貧困の者達を救った英雄。食糧難を救った英雄。他にも数えきれない沢山の英雄がいる。
私も歴史に残る英雄達に憧れて、何かの英雄になろうと思った。というかこの国では、将来は立派な英雄になれと言われて子供の頃から育てられる。しかし私は凡人だ。何かすごい能力がある訳でもないし、勇気がある訳でもない。だから私のような者が英雄になんてなれるはずがないのだ。
「この国は英雄が沢山いてね。英雄なんて珍しくないんだよ」
英雄だらけの国では、皆が口をそろえて言う。
ある時の事だ。馬車が暴走した。そして暴走する馬車の前には子供がいた。私は思わず飛び出した。子供を抱きかかえて馬車を避けた。すると拍手が起こった。
「ありがとう。私の英雄さん」
小さな子供から感謝され、私は誰かの英雄になれたのだと思うと、嬉しくて涙が出てきた。
公開:22/08/20 09:29
更新:22/08/20 09:58

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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ブラウン・シュガー
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