時代不適合者

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「あなたのデザイン、正直古いのよ」
私は服のデザイナー。上司に時代不適合者の烙印を押されてしまった。
タイムマシンがある今、申請するだけで好きな時代に行けるのだから、身寄りもないことだし、ここにいる理由はない。

問題は過去には行けないことだ。センスが古いなら過去に行くのがしっくり来るだろうが、法律で過去に行くのは禁止。過去を知る者はギャンブルや株で儲けたり情報を売ったりで歴史を狂わせることにもなるからだ。
行くなら未来一度きり。しかも混乱を防ぐため、後戻りもしてはならないルール。
果たして未来でやっていけるのか…。

とりあえず受けたAI検査の結果は107年後に適合と出た。
賭けにはなるが、自分の力を一丁試してみるか。

悩んだ末に新しい生活をスタートさせると、来て正解だと確信した。
面接で私の作品を見せたところ、「レトロで素敵ね!」と感激されたのだ。
この時代がやはり合っているらしい。
ファンタジー
公開:22/08/19 19:37
更新:22/08/19 20:04

ナユセナユ

どんでん返しが好き。ちょっとずつ書いていきたいです。

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