出会った太陽と月

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「……あ、あの……」
おずおずと声を掛ける。
しかし二人は、じっと僕を見つめるだけで何も言わない。
その視線が痛いほどに突き刺さり、思わず身体が強張る。
すると――
「……ふっ」
太陽は小さく笑みをこぼし、月もまた微笑んだ。
「やっぱり、君はおもろいなあ」
「え?」
何の話だろう?
「君なら平気やろ」
「そうね。あなたには私たちの力も宿っているもの」
二人から感じられるのは、とても優しい気配だった。
まるで、家族のような……
「でも気をつけてね。私の太陽の力は強いから」
「うん。今の君の力やと、ちょっと制御が難しいかもしれへん」
そう言って太陽と月は笑う。
「……はい!」
僕は精一杯返事をして、二人の後ろをついていく。月と呼ばれた関西弁の男。太陽と呼ばれた麗しい女。そして二人の不思議な力を分け与えられた僕。これから三人で”夜”と戦う。夜に対抗する手段を持つのは、僕達しかいないから。
公開:22/08/22 09:23

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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