最期に伝えたいこと

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おれは恋人だったレナの家に呼ばれた。しかしもう別れている関係なのだ。
レナが言うには、どうしても最後に話したいことがある、それを聞いてくれればキッパリ諦めるからということだった。
おれは警戒していた。レナの粘着性というか、二重人格的なところが別れを決意した最大の理由だったからだ。

あなたを殺して私も死ぬと包丁を振り回してこないか、あるいはおれにトラウマを残そうと目の前で自殺を諮りはしないか、警戒していた。

ところがレナは穏やかに、おれとの別れは仕方がないと思っていると言ってくれた。
伝えたかったのは、レナの友人でもありおれの新しい恋人でもあるリカを大事にしてほしいということだった。

おれは安心し、じゃあきみも幸せにと言って帰ろうとしたら首筋を刺された。もう一方の人格のレナが伝えたかったことは、少し違ったようだ。
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公開:22/08/20 23:15

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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