小さな象

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インドの南にある小島で、小さな象が見つかった。その象は子犬ほどの大きさで、ひゅーい、ひゅーい、という鳴き声を上げる。
生物進化学には島嶼化という言葉がある。絶海の孤島のように資源が限られている生息域では、生物は小さく進化するという法則だ。
サバンナのような肉食獣がウヨウヨしている場所では巨大化して身を守る必要があるが、鳥とトカゲとネズミしかいない小島では大きくなる必要がない。
だからこの小型象も、インド象から分離し、長い年月をかけて島嶼化したのだろうと思われた。
ところが、この新発見を信じないひとたちがいる。彼らは「遺伝子工学で作られたに違いない」と疑っている。
遺伝子だけでは天然か人工かの区別がつかないので、何かの証拠が必要だ。
こうなったからには、しかたない。
今度は島嶼化した人類を発見させてみよう。
手のり人間を愛でながら、学者はそうつぶやいた。
SF
公開:22/08/17 08:20

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