プラシーボな鏡

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高価な鏡をタエ子は買った。鏡に映る自分の姿が美しく見えたので、奮発したのだ。
近眼のせいで自分の顔もいつもよく見えなかったが、その鏡に映すといつも綺麗に見えた。ノボルという付き合っていた男と結婚した。

だが結婚してノボルと衝突することが増えた。タエ子は頭がよく気高いから、自分の方が優位でいたいノボルとあまり折り合えなかったのだ。

ある日ノボルはタエ子の鏡に映る顔に愕然とした。いつもより数段綺麗な女性が、そこには映っていたのである。
ノボルは近眼用の眼鏡をタエ子に買い与え、安物の鏡に映る自分の姿を見てもらった。

タエ子は慄然とした。これが本来の自分の顔なのと、初めて悟った。
しかしノボルは何を思って、私にこれを見せたのか。お前はぶすなんだから、おれに従えということか。

考えた挙句、ノボルとは別れた。女性を主に外見で判断する男に媚を売る必要はない。自分の頭の良さを生かして生きよう。
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公開:22/08/17 01:18

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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