願いの成就

ぼくは中学の時、いじめや成績の悪さなどが原因で不登校になってしまった。以来引きこもりとなって、二十歳を迎えてしまった。

突然中学時代の友人が、ぼくを訪ねてきた。
願いの叶うペンダントとやらを、持ってきた。
自分もその効果を信じて猛勉強したらN大学に受かったので、きみにあげるとのこと。

おれは訝しく思いながら、一応礼を言って受け取った。本当だとしたら何を願おうか。
憧れのアイドルと結婚しようか。いや万一できたとしても、すぐ離婚だろう。

じゃあ名門大学を目指そうか。いやそれも、かなりしんどそうだ。

そうだ今はネットで投資ができる。そこで大金を稼ぐという願いをすればいいではないか。
だがそんな甘い世界ではなく、借金が膨らむばかりだった。

しまった親に怒られる。ぼくは何をやっても駄目だ。死にたいと心底願った。
茫然自失となり家を出たぼくを、車がひき殺して行ってくれた。願いは叶った。