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ある日突然、俺はやってもいない婦女暴行の容疑で逮捕された。
心当たりなんてないのだから最初はすぐ疑いが晴れるだろうと楽観的だったが、取り調べが進むにつれて不安が募ってきた。

なぜなら、被害者女性から作成した似顔絵が俺に瓜二つだったというのだ。
それに、犯行の時間帯は家にいたので証明できるのは家族だけ。アリバイがないも同然。
決定的なのがDNA。採取された俺の唾液が犯人のものとほぼ一致という結果。

人生積んだ…。
茫然となった時、なぜかあっさり釈放となった。

迎えに来た父を尊敬のまなざしで見つめ、涙ぐむ。
刑事が言うには、父が息子のために奔走し、真犯人を見つけたらしい。

でも何か腑に落ちない。
「なあ、親父が自首させたっていう沢田和樹って誰なの?」
父はうつむいて言った。
「うん…実は俺の隠し子でな。DNAが一致したと聞いてあいつだとピンときたんだ」

俺は直ちに尊敬するのをやめた。
ミステリー・推理
公開:22/08/17 00:15
更新:22/08/17 22:43

ナユセナユ

どんでん返しが好き。ちょっとずつ書いていきたいです。

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