大泥棒の末路

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おれは大泥棒で、欲しい物は何でも手に入れてきた。今日も宝石を盗んで、警察の包囲網を潜り抜け後は逃走用の車に乗って逃げるだけだ。
と思ったら警官でも刑事でもない奴らが、逃走用の車の回りを取り囲んでいた。一斉におれに向かって、飛びかかって来た。

多勢に無勢。敵うはずもない。おれは捕まって、警察署に連れていかれた。
「お前何故、捕まったと思う?」
「さあ、たまたまだろ」
おれはそう嘯きながらも、戸惑っていた。おれの手法はそんなに一般市民の反感を買うものではないと思っていたからだ。

「みんなの執念だよ。お前は人を殺してない貧乏人からは盗まないと得意になっているかもしれないが、お前に監禁された人、商品を盗まれた人、車を盗まれ壊された人、建物を壊された人。みんな心に深い傷を負って、まともな生活ができてないんだ。単なる窃盗だけの罪だと思うな。一生ムショから出させん」
おれは鼻がへし折られた気がした。
その他
公開:22/08/16 23:42

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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