田舎への引っ越し計画

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おれは田舎へ引っ越してきた。村長の案内で、村を回っていた。
「中学の国語の教員をやっておられたあなたが、こんな田舎だと退屈ではないのですか?」
「いや、人生到る処青山ありですから」

しばらく歩くとコーチらしき人が、少年に野球を教えていた。
「檄を飛ばしてますね。私も檄文を個人的に渡したことがありますよ」
「ほう最近は褒めて伸ばすのが主流ではないのですか?」
「いや、耳ざわりのいい言葉は嫌いです。駄目になる可能性の方が高いです」
すると村長はいきなりおれの両手を取り、背後で組んだ。

「いてて、なにをする」
「おかしいと思ってたんだ。あんたこの間来た人とはよく似ているが、別人だろ。国語の教員をやっていた人が、四回続けて間違った言葉遣いをするなんてありえない。今から駐在の所に連れて行くから。知っていることを全部吐け」
おれが双子の兄を殺してなり替わるつもりだったということが、バレてしまった。
ミステリー・推理
公開:22/08/16 23:02

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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