小さな勇者
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                                リビングで私と6歳の息子はお昼ご飯を食べていた。
ふと、何かの気配を感じて壁を見ると、蛾が一匹止まっていた。
「やだ!虫!」
私は大声で叫んだ。
虫が苦手な私は虫を撃退するスプレーを取りに台所へ行く。
ない。嘘でしょ!?
扉を開けてあちこち探していると、息子も台所に来た。
息子はビニール袋をもって去っていった。
バサバサと音が聞こえるので台所から顔を出すと、息子はビニール袋で蛾を捕まえようとしている。
「ちょっと勇太やめて!」
私は再び台所でスプレーを探し出す。
「捕まえた!」
息子はビニール袋を持ってベランダへ行き蛾を外へ出した。
「ママ、もう大丈夫だよ」
「え?」
「もう、いないよ」
その言い方は夫にそっくりだった。
息子は夫の代わりを務めてくれたのだ。
幼いと思っていたのに知らぬ間に日々成長しているのだと気がついた。
「ありがとう勇太!」
私は小さな勇者をぎゅっと抱きしめた。
    ふと、何かの気配を感じて壁を見ると、蛾が一匹止まっていた。
「やだ!虫!」
私は大声で叫んだ。
虫が苦手な私は虫を撃退するスプレーを取りに台所へ行く。
ない。嘘でしょ!?
扉を開けてあちこち探していると、息子も台所に来た。
息子はビニール袋をもって去っていった。
バサバサと音が聞こえるので台所から顔を出すと、息子はビニール袋で蛾を捕まえようとしている。
「ちょっと勇太やめて!」
私は再び台所でスプレーを探し出す。
「捕まえた!」
息子はビニール袋を持ってベランダへ行き蛾を外へ出した。
「ママ、もう大丈夫だよ」
「え?」
「もう、いないよ」
その言い方は夫にそっくりだった。
息子は夫の代わりを務めてくれたのだ。
幼いと思っていたのに知らぬ間に日々成長しているのだと気がついた。
「ありがとう勇太!」
私は小さな勇者をぎゅっと抱きしめた。
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      公開:22/08/16 20:14      
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林原みのり