死なないで

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「先生!!先生!!嫌だ。目を覚ましてよぉ……」
私は涙を流しながら、先生の手を握った。するとピクリと反応したのだ。
「えっ!?」
私の声に反応してくれたのだろうか? しかし、すぐにまた力なく手は地面に落ちた。
「そんな……。嘘でしょ?ねぇ、先生!!」
何度呼んでも返事はない。
私は何度も呼びかけた。
それでも起きてくれない。
「いやぁ~!!死なないでぇ!!お願いだからぁ……」
私は初めて人に泣きついた。
自分より年下の子供にすがりつき、泣いてしまった。
「うぅ……ぐすっ……ひくっ……」
声を押し殺しながらも涙が止まらない。今まで泣くことなんてなかったのに、今は感情を抑えられそうもない。
こんなにも悲しい気持ちになったのはいつぶりだろう?
「いやー、眠いから。頼むから寝させてくれ」
先生は徹夜続きだった。夜通し私のゲームに付き合ってくれていたのだ。しょうがない。少し寝させてあげるか。
公開:22/08/19 07:37

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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