博士の発明

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外はもう暗くなっていた。手に握った玉を二階の窓から投げた。
くそっ、また失敗か。
玉は地面に落ちたときの衝撃で割れて花火が上がる予定だった。しかし何も起こらなかった。
今まで様々な発明を試みてきたが成功したことは一度もなかった。外を見ると鳥が飛んでいた。よし、次は大きな翼を作ろう。

三日間かけてやっと完成した。翼を背中に装着して、窓枠に足をかけた。また空は暗くなっていた。
これを最後にしようかな。
そんなことを考えながら思い切りジャンプした。スイッチを入れると翼がはためき始め少し浮上した。
遂に成功したか、と思ったとたん、バキッ、と音を立てて翼が折れた。背中から落ちてしまったが翼のおかげでけがは無かった。
くそっ。思い切り地面を叩いた。何かをたたき割った感触があった。
ひゅー、という音に続いて、どん、と腹に響く音が鳴った。空に鮮やかな花が咲いた。
もう少し続けてみようかな。
その他
公開:22/08/19 00:35

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