バザール

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海外のバザールで真っ昼間から堂々と人身売買が行われてるのを目にし、顔を顰める。
売られているは少年少女ばかり。親と思わしき店主が「この子を買ってくれ!」と涙交じりに懇願する。
鼻で笑う。己が金を得る為、子を売るような親に泣く資格なんてない。
ちらりと子ども達に目を向ける。皆、笑っていた。
「お兄さん。僕の腕…いや、足を買ってくれない?サッカー選手になりたいんだ!」
少年がおかしな要望をしてきた。それはまるで己の才能を買ってくれと言っているようだ。
「その通りです。この子には才能がある。しかしウチでは才能を伸ばす事が出来ない。どうか、この子の才能を開花させて下さい」
親が俺に頭を下げる。改めて市を見渡した。ここはバザールはバザールでも正念場ザールと言ったところか。
店主は客を選び、誰よりも子の幸せを願い送り出そうとしている。
面白い。俺はすぐに会社に連絡し、この国にクラブチームを設立した。
青春
公開:22/08/18 20:45

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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