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モノクロの中学生活が突然カラーに色づいた。
王子様みたいなキラキラした男の子が転入してきたのだ。
でも地味で引っ込み思案な私はただ見ているだけ。転入生の北斗君が私に話しかけてくれたのは、たぶんクラス全員の名前を覚えた後だった。
「名前なんてゆうん?」
「雨宮…」
「雨宮さん―アメちゃんって呼んでいい?」
「へ?」
恥ずかしくて何も言えずにいると、それを聞いたクラスの子達もそう呼びたいと言われて思わず頷いた。気づけば数日で皆からアメちゃんと呼ばれていた。
ある日、学校の帰りに北斗君が「これあげる」と何かを手渡してきた。
手には飴が一粒。
「アメちゃん好きやねん」
え?
「いや、アメちゃんってこれやで」
ああ、飴のこと…。
「関西では飴をちゃん付けで呼ぶねん」
「…何それ」
二人で笑った。
飴はとても甘かった。
そして、この恋は告白できずに終わったけど、私には友達がたくさんできたのだった。
王子様みたいなキラキラした男の子が転入してきたのだ。
でも地味で引っ込み思案な私はただ見ているだけ。転入生の北斗君が私に話しかけてくれたのは、たぶんクラス全員の名前を覚えた後だった。
「名前なんてゆうん?」
「雨宮…」
「雨宮さん―アメちゃんって呼んでいい?」
「へ?」
恥ずかしくて何も言えずにいると、それを聞いたクラスの子達もそう呼びたいと言われて思わず頷いた。気づけば数日で皆からアメちゃんと呼ばれていた。
ある日、学校の帰りに北斗君が「これあげる」と何かを手渡してきた。
手には飴が一粒。
「アメちゃん好きやねん」
え?
「いや、アメちゃんってこれやで」
ああ、飴のこと…。
「関西では飴をちゃん付けで呼ぶねん」
「…何それ」
二人で笑った。
飴はとても甘かった。
そして、この恋は告白できずに終わったけど、私には友達がたくさんできたのだった。
青春
公開:22/08/18 19:11
更新:22/08/18 19:37
更新:22/08/18 19:37
どんでん返しが好き。ちょっとずつ書いていきたいです。
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