しーっ、静かに

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いつもは飯時になるとうるさく騒ぎ立てる愛猫が今日はやけに静かだ。
もしかして窓の向こうに野良の友猫でも来ているのだろうか?
リビングを覗いてみると愛猫はテレビの上をじっと見つめていた。そう言えば、先代の黒猫はテレビの上がお気に入りだった。
今は盆。もしかして、ウチに帰ってきているのか?
愛猫に聞いてみるとそっぽ向かれてしまった。もしや先代から「しーっ、静かに」と口止めされているのかもしれない。
先代が亡くなった時はもう二度と猫なんて飼うものかと思っていたけど、やっぱり私には猫のいない生活なんて考えられなかった。

その日の夜、寝室に向かう為リビングの電気を消す。するとテレビの上、金色に光る二つの球体が一瞬見えた。
…やっぱりいたんだ。
私は暗闇に向かって「今夜は一緒に寝ない?」と声をかける。
その声に愛猫が寄ってくる。足音が一つ多いような気がする。
その夜、黒猫と久しぶりに戯れる夢を見た。
公開:22/08/17 21:09

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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