can't be true chapter 11 ～camera～

DEMインダストリー日本支社、社長室。
エレン・メイザースが宣言すると同時、室内に設えられたスクリーンに映像が表示された。
そこに映っているのは、DEM社が保有する人工衛星〈ヴァナルガンド〉。そして、その内部に広がる、広大な空間であった。
その中央に佇んでいるのは──巨大な剣を手にした、一人の少年である。
「これは……！？」
『彼』の顔を見た瞬間、ウェストコットは驚愕に身を震わせた。
だがそれも当然であろう。画面に映し出されているのは、『〈ヴァナルガンド〉に搭載されたカメラの映像』ではなく──今まさに、この部屋から送信されているものだったのだから。「〈フラクシナス〉より受信しています。解析の結果、間違いありません」
「な……ッ、一体どういうことだ！ 何故DEMの艦に精霊がいるのだ！」アルテミシアの報告を聞いてか聞かずか、エリオットが叫ぶ。
だがそれも無理のないことであった。