見られるメガネ

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美術館の真っ白な部屋の中に置かれた俺。
俺を買った男は俺を1度もかけることなく美術館に置いた。それが"アート"らしい。

毎日毎日人から見られ続けている。
メガネに生まれた以上は、誰かにかけてもらって周りの世界を見て欲しかったのに、俺は見られてばっかりだ。

たまに人にかけられたメガネと目が合う。
"アート"として生きる俺がかっこよくて羨ましいらしいが、俺は誰のためにもならない自分を不甲斐無く思うくらいだ。
ファンタジー
公開:22/08/16 05:57

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