セカンドライフ

人間は定年後、第二の人生が始まり、新しい仕事や趣味を見つける。君たちもセカンドライフをしっかりと堪能するように。

まもなく卒業を控えた俺たちに先生が言った。俺たちの一生は、ほとんどが人目につかない。これから始まる一週間は俺たちのセカンドライフと言っても過言ではないだろう。
自分達が何者になるのかはこれまでの筆記や実技の成績次第で決まり、卒業式の日に何の種類になるのかがわかる。
隣の席に座るシャ子ちゃんはニコニコして先生の話を聞いている。羨ましい。彼女は成績優秀だからきっと大きなクマになるだろう。
卒業前日。「お前は卒業できないかもしれない」と先生から呼び出しを食らった。そんな前日に言わなくてもと思ったが相当成績がひどいらしく、地上に出て生きていけるか心配された。
実際にはなんとか卒業でき、地上にも出られたのだが……。

キョングラーチョン。

世界最小のセミが出たと人間界が騒がしい。