can't be true chapter 9 ~search~

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琴里が問うても、折紙はしばらく黙り込んだままだった。
しかしやがて、小さな声でぽつりと言う。
「──私は、知りたい」
「……? 何がよ」
「自分が何者なのか。私が一体何のために生まれてきて、何を成すために存在しているのか。それが知りたい」
「……」
その問いは、まるで自分自身の胸の奥底に問いかけているようだった。
「……わかったわ」
それを聞くなり、琴里はふうっと息を吐いて、肩の力を抜いた。
「──とりあえず、今はそれで充分だわ。折紙、あなたは今日から、私の指揮下に入ってもらうことにする」
「……了解」
折紙が首肯すると同時、始業を告げるチャイムが鳴り響いた。結局、そのあとすぐに授業が始まってしまい、詳しい話は放課後に持ち越されることになった。
とはいえ、まだ時間はある。その間に士道たちは、折紙についての情報を少しでも集めておかねばならなかった。
「よし、じゃあ早速調査開始といきますか!」
公開:22/08/15 17:00

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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