can’t be true　chapter 1 ～world of end～

世界には、三つ存在しているという。そのひとつが、今自分たちがいる『ここ』だ。
そして残りふたつは――
「……」
この世界での役目を終えたら、自分は元の世界に戻ることになるだろう。
しかしそれは、自分ひとりではないはずだ。
ならばきっと、向こう側の世界にいるであろう他のみんなもまた、こちらにやってくるのではないかと思う。
そしてその時は――
「……ん？」
と、そこでふいに、何やら背後から人の気配を感じたような気がして、士道は首を傾げた。
振り向いてみると──そこに、小さな女の子の姿があった。
年齢は四糸乃と同じくらいだろうか。髪を左右で結わえた可愛らしい少女である。なぜか左目に黒い眼帯をつけており、その上から医療用の白い布のようなものを巻いていた。
「……あ」
すると少女も士道に気付いたのか、小さく声を上げてきた。