木漏れ日色仕掛け

「この絵は？」
「木漏れ日の女です」

木漏れ日の中、美しい女性がヌード姿で描かれている絵だ。

「とても神秘的だ。神々しい。まるで女神を見ているかのようだ」
「そうでしょ」
「この絵のモデルとなった女性はいるのですか？」
「いますよ」
「是非会いたいです」

私はこの神秘的な絵のモデルとなった女性に一目会いたい。さぞ美しい女性なのだろう。同じ女性としては、見ておかなければ。
後日、女性と会う事になった。現れた女性は、とても美しく、私はずっと彼女を凝視してしまった。
「はっ！？す、すみません。余りにも綺麗な方だったので」
しかし彼女は、にっこりと微笑んだだけで一言もしゃべらなかった。
「喋れないんですよ。なぜならアンドロイドですから」
「ええっ！？」
私が美しいと思ったそれは、非常に精巧に作られた機械だった。
「この子、買いませんか？」
私は色仕掛けに負けて、アンドロイドを購入した。