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それはもう、とても優しい顔をした男が微笑み、お金を後ろへ撒きながら歩いていました。
その落ちたお金を、大人と子供たちが争うように拾って、後を付いて行きました。
太陽が大地を焦がすほど照らしても、雷が鳴り響き雨がざあざあ降っても、嵐のような強い風が吹き荒れても、振り向いたり立ち止まらずに、男の後を付いて行きました。
そして、とうとう誰も戻りませんでした。
その他
公開:22/08/12 09:03
更新:22/08/12 09:05

杉本とらを( 東京 )

言葉遊びが好きで、褒めらると伸びるタイプです。
良かったら読んでやって下さい!

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