2
1
先輩に誘われてサッカーの試合を観戦するようになった。コロナ禍で手拍子のみの応援だったが今日は実証実験でゴール裏のみ声を出して応援ができる。チケットは指定席なので声援はできないがどんな雰囲気になるのか楽しみだった。
「いよいよですね」
「いよいよだ」
「でもアップが始まっても声援がないですね」
「試合が始まれば一気にボルテージが上がるさ」
それは本当だった。試合が始まると地響きのような大声援でスタジアムが揺れているようだった。
「すごい…」
「規制が撤廃されて満員のスタジアムになったら、これくらいじゃ済まないぞ」
「マジすか」
試合は完勝だった。
「勝利の歌、歌いますかね」
「勝利の歌は『We』が必要だからお預けだろうな」
「残念だな…」
するとスタジアムが赤く染まり出した。勝利の歌を歌うとき赤いタオルを掲げるのだ。
「先輩!ゴール裏が歌い始めましたよ!先輩?」
先輩の瞳から涙が溢れていた。
「いよいよですね」
「いよいよだ」
「でもアップが始まっても声援がないですね」
「試合が始まれば一気にボルテージが上がるさ」
それは本当だった。試合が始まると地響きのような大声援でスタジアムが揺れているようだった。
「すごい…」
「規制が撤廃されて満員のスタジアムになったら、これくらいじゃ済まないぞ」
「マジすか」
試合は完勝だった。
「勝利の歌、歌いますかね」
「勝利の歌は『We』が必要だからお預けだろうな」
「残念だな…」
するとスタジアムが赤く染まり出した。勝利の歌を歌うとき赤いタオルを掲げるのだ。
「先輩!ゴール裏が歌い始めましたよ!先輩?」
先輩の瞳から涙が溢れていた。
その他
公開:22/08/12 00:07
面白そうなので参加してみました。
ログインするとコメントを投稿できます