サマーサンライズ
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その日、日が昇り始めるとパパは、夏休みの自由研究の為、蝶を探しに森へ行った。そして一枚の葉っぱを持ち帰り、お爺ちゃんに見せた。
「ほら、白い蛹が付いてる」
「似てるけど違う、蛹じゃない。これは赤ちゃんを包んだ白い産着だ」
「ふうん、確かに葉っぱに抱かれてる様にも見えるね。蝶も人も赤ちゃんの時は同じなんだ」
「違う、蝶は蝶、人は人だ」
それから数日後、虫籠には産着だけが残っていた。
きっと帰ったんだろう。そう思ったパパは森中を探し回り、すっかり大人になったママを見つけた。
二人はパパが大人になるのを待ち結婚し、僕が生まれた。
何故か土の中から。
僕は七つになるまで、一日で一つずつ年をとった。もう覚えていないけど、それまでは日が昇ってからずっと泣きっ放しだったという。
でも今は違う、もう小学生だ。夏休みも終わり、今日から学校だ。
僕は、教科書を詰め込んだ薄茶色の抜け殻を背負った。
「ほら、白い蛹が付いてる」
「似てるけど違う、蛹じゃない。これは赤ちゃんを包んだ白い産着だ」
「ふうん、確かに葉っぱに抱かれてる様にも見えるね。蝶も人も赤ちゃんの時は同じなんだ」
「違う、蝶は蝶、人は人だ」
それから数日後、虫籠には産着だけが残っていた。
きっと帰ったんだろう。そう思ったパパは森中を探し回り、すっかり大人になったママを見つけた。
二人はパパが大人になるのを待ち結婚し、僕が生まれた。
何故か土の中から。
僕は七つになるまで、一日で一つずつ年をとった。もう覚えていないけど、それまでは日が昇ってからずっと泣きっ放しだったという。
でも今は違う、もう小学生だ。夏休みも終わり、今日から学校だ。
僕は、教科書を詰め込んだ薄茶色の抜け殻を背負った。
ファンタジー
公開:22/08/12 22:50
更新:22/08/13 14:29
更新:22/08/13 14:29
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