あなたは海派？山派？

「今年は海よ!」
「いやや。湖の近くでキャンプだ!」
「あそこの海の近くに今話題のかき氷があるの。写メしてママ友に見せたいの!」
ママはママ友事情を説明した。
「話題のかき氷なら都内にだってあるだろう。緑の山と青い湖を一緒に見ると心が浄化されるし、静かな夜に焚き火を見て、爆ぜる音を聞きながら飲むコーヒーは美味しいぞ」
パパは自然の素晴らしさを語る。
テーブルを挟んで火花を散らす海派のママと山派のパパ。
小学生一年の僕はPS4でゲームをしながら聞いている。
どっちがいいと決定権を委ねられた僕は聞いた。
「毎年言い合っているけれどよく飽きないよね。なんで結婚したの？」
「まあ…自分のないところが魅力的だったの、かな」
「…そうね」
「ふうん、そうなんだ。僕は家がいい。今ね、みんなこのゲームやってるんだ。このキャラ育てて次のステージにいきたいんだ」
ママとパパはがっくりと肩を落とす。
僕は家派。