ある日のカンダタ
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極楽に引き上げられたカンダタは、お釈迦様と話すことにした。
「きちんと話をしたうえで、こちらの事情を酌んでくれて極楽に上げてもらったのならいいが、こんな気まぐれのような形で引き上げてもらうのは納得いかない。
おれは昔から善人面して嫌なことを人に押しつけ、点数を稼ぐ奴らが嫌いだった。そういう奴らが、おれたちのような悪人を作り、自己責任だ甘ったれるなと説教を垂れているのではないか。
地獄におれよりもっと気のいい奴はいっぱいいる。そいつらも引き上げてやってくれ」
というような内容だった。
しかしお釈迦様は、ただ微笑むだけだった。
ひょっとしたらおれは、幻覚を見ているのか。
いやおれが誰かの作り出した架空の人物なのかと思ったら、お釈迦様は消えた。
カンダタ自身も消えた。
「きちんと話をしたうえで、こちらの事情を酌んでくれて極楽に上げてもらったのならいいが、こんな気まぐれのような形で引き上げてもらうのは納得いかない。
おれは昔から善人面して嫌なことを人に押しつけ、点数を稼ぐ奴らが嫌いだった。そういう奴らが、おれたちのような悪人を作り、自己責任だ甘ったれるなと説教を垂れているのではないか。
地獄におれよりもっと気のいい奴はいっぱいいる。そいつらも引き上げてやってくれ」
というような内容だった。
しかしお釈迦様は、ただ微笑むだけだった。
ひょっとしたらおれは、幻覚を見ているのか。
いやおれが誰かの作り出した架空の人物なのかと思ったら、お釈迦様は消えた。
カンダタ自身も消えた。
ファンタジー
公開:22/08/11 22:43
少し変わった、ブラックな話が好きです。
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