幼馴染の男

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たまたま実家の居酒屋を手伝っている時、久しぶりに幼馴染の男が飲みに来た。
男は閉店時間になってもまだ帰らずにいる。隣に座って酒をついでやった。
すると、急に「おまえって…美人だよな」と言い出した。
酔っているのだろうが、私はドキリとする。結構イケメンなのだ。
「さっぱりした性格もすげーいいし、普段は営業の仕事だから物腰柔らかい話し方だし、おまけに空手の有段者」
もしかして告白?
今まで陰で見守ってくれてたとか?
「だから…おまえしかできないこと頼んでいい?」
「なになに?」
「実は今度金持ちのお嬢様と婚約することになって、今付き合ってる女と切りたいんだよね」
へ…?
「それでだ、おまえみたいな非の打ち所のない女を連れて行ってこいつと結婚するって言えば納得するだろ? 文句言われてもたしなめられるし、暴力ふるってきても対抗できるし、うってつけ…」
私は思いっきり男の頬を平手打ちした。
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公開:22/08/11 16:23
更新:22/08/11 16:29

ナユセナユ

どんでん返しが好き。ちょっとずつ書いていきたいです。

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