花粉症仲間

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私は会社の化粧室で、猛烈な目の痒みに頭を抱えていた。花粉症だ。掻きすぎて赤くなった目を鏡で見て、溜息を吐いた。目を掻いて崩壊したアイラインが無様だ。だが掻くのを辞められない。目玉を取り出して、水道でバシャバシャ洗えればいいのに…なんて出来もしないことを考え、また溜息を吐いた。
「あら花粉症?」
声のした方を見ると、苦手な上司がいた。一瞬、ウゲーと思ったが顔には出さなかった。クールで厳しい上司の前でそんな態度は厳禁だ。私は愛想笑いを纏って返事をした。
「そうです~もー痒くてぇ」
「そう。私もよ。お大事にね。」
私は驚いた。いつも怖い上司が今日は優しい!それに、同じ花粉症仲間だったなんて初耳だった。少し親近感が湧いた私は話を続けることにした。
「先輩も!もー早くこの痒みから解放されたいですね~」
「そんなのは簡単よ。」
「え?」
「目玉外して洗えばいいの。」

その後、私の目の痒みは、消えた。
ホラー
公開:22/08/11 02:18

板里カエ

いたりかえです。坊っちゃん文学賞の応募原稿が終わるまで更新出来ません…。

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