バーコードから表示される事実

開店前、レジを確認していると店長が私の白髪交じりの頭にバーコードリーダを当ててきた。
『おつとめ品　４５円』
それを見て店長はゲラゲラ笑う。金額が私の年齢と同じである事にはしゃいでいる。
そして４５円を財布から取り出すと「仕方なく買ってやるよ」と上から目線で言ってくる。
悔しさに涙をにじませる私を助けてくれたのは先日入ったバイト君だった。
彼は表示された金額を見て「あれ？これ、表示が４５万になっていますよ」と教えてくれた。
そういえば、このレジは金額が大きすぎると表示方法を変えるんだった。
「店長。パワハラの慰謝料としてチーフに４５万払わないといけませんよ」
顔を真っ赤にする店長。バイト君を「お前はクビだ！」と怒鳴りつけた。
が、クビになったのは店長だ。
バイト君が店長のバーコードハゲにバーコードリーダを当てると『廃棄品』と出て、店長の悪事と共にそれがすぐさま本社へと送られたからである。