私の彼は坊主

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野球男子が好きだ。野球をする姿にグッときて、好きになるのは坊主頭の野球部の男子ばかりだった。しかしそんな私の願いは虚しく、好きになる野球部の男の子は皆彼女がいた。私が選ばれる事はなかった。いつも片思いで終わってしまった。それから出会いがなく、良い歳になってしまった。親からも結婚はいつするのと心配され、ついにお見合いの話が来た。
「お母さんが決めてきた人ってどんな人?」
「坊主の人よ」
「えっ!?坊主!?」
私はテンションが上がった。憧れの坊主とのお見合い。素敵な人だといいな。
お見合い当日、現れたのは坊主だった。ただし野球部の坊主頭ではなく、お寺の坊主だった。
「野球はできますか?」
「いいえ。ですが、私にとってあなたはストライクです。チェンジはあり得ません」
お坊さんが真面目な顔で頑張って慣れない野球用語を使ってくれるのが面白くて、私はなんだか彼が可愛いと思った。それが今の私の彼だ。
公開:22/08/11 09:11

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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