039.中継地にて

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「いらっしゃいませ」
 店内に足を踏み入れると、電子音混じりの女性の声が出迎えた。カウンターと並行してテーブル席が並ぶ店内の様相は正に、南大陸民にとって馴染み深いダイナーのそれだった。
「お好きな席へどうぞ」
 声の主はカウンターで水を用意しながら、わたしの着座を待っている。制服と人工皮膚に痛みがあるが、とても可愛らしい女性型の機巧体店員だった。
 わたしは迷わず彼女の目の前であるカウンターに座った。
「ようこそ」
「ああ。…注文いいかな?」
「あ、申し訳ありません。来客はとても久しぶりで…」
 慌ててメニューを用意する店員。
 ここは、アースエンド中継地:通称ダイナー4580(dis)号店。
 果ての先を目指す開拓者のひと時の休息のために、世界の果てに創られた場所。
「いや。やっぱまだいい」
「え?」
「まず話をしないか。誰かと会うのは久しぶりなんだ」
「そうなんですね。分かりました」
ファンタジー
公開:22/08/07 16:46
ファンタジー 世界 冒険 ダイナー

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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