アースエンドについて話そう

　南大陸国には、アースエンド＝果ての世界と呼ばれる超広大な砂漠がある。その行きつく先は、西大陸のオーダインタワー同様に判明しておらず、存在しないと説く世界学者もいる。
　超長距離移動車両【ラング・ラング・アウト】の開発と共に始まったフロンティア・ラッシュにより、グランディスと呼ばれる数多の冒険者と命知らず達が未知の領域へ駆り出ていった。
　その結果判明したのが、そこは死の危険と無に満ちた世界だったという事だった。その事実のより、開拓精神の熱は宵の砂漠の如く冷めきってしまった。
　その中、最後のグランディスとして名を知らしめたのが、エンジュル・トゥナトゥーンという冒険者だった。愛機ジャスティーを駆り、最高到達距離9000distanを成し遂げた。形ある成果はなかったものの、そこに至るまでの記録は、書籍化され、ドキュメンタリーやフィクション作品の下地に引用されるなど多岐に渡って伝えられている。