花火師の憂鬱

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病院のベッドで死を待つ儂は30年前の出来事に胸を痛めている。
ウチは先祖代々花火師で儂も花火師だ。当然、息子も儂の後を継ぐものと思っていた。
だからこそ厳しくした。だが度を越えた厳しさに息子は家を出て行ってしまう。
反省している。儂が悪かった。死ぬ前に一目会いたい…
ドアがノックされる。誰かと思えば、若い頃の儂にそっくりな男が立っていた。
「耄碌したな親父」
やはり息子だ。息子が儂に会いに来てくれた!
「面白いものを見せてやるよ。俺は今、システムエンジニアをやっていて、こういうのを作っている」
息子が取り出したのはスマホ。画面の中、儂が見た事もない美しい花火が飛び交っている。
これを…お前が作ったのか…?
ニヤリと笑う息子。こうしちゃおれん!
儂はベッドから立ち上がると工房へと向かう。負けてなるものか!
「あの親父を越えなきゃいけないと考えると我ながら厄介な相手をライバルに選んだものだ…」
公開:22/08/03 20:50

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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