ピアノの先生

ある日、リネはピアノ教室をやめてしまいました。
バーバはそれをとても残念に思っていて、突然「リネちゃん、ピアノ教えてくれない？」と言い出しました。
リネがピアノの先生？
不思議なことに、つまらなかったピアノが急に楽しそうです。早速二人でピアノの前に並びます。
やってみると大変。バーバは弾くのもゆっくり、しかも間違えてばかり。でも特訓するうち、弾けるようになってきました。とにかく一生懸命。二週間後には簡単な曲が弾けました。陰で練習したのかも。
もう追いつきそう。ううん、追い抜く可能性もあります。
「ピアノもう一回習ってもいい？」
思い切ってママに尋ねると、ママは高いピアノを買ってもったいないと思っていたので目を輝かせました。
「この前は先生厳しかったから、今度は近所のおねえさんに頼もう」
それからリネはぐんぐん上達しました。
だってバーバより上手じゃないと先生になれませんから。