シミュラクラ現象

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休日の昼下がり、私はボンヤリと天井眺めていた。天井には不規則な模様が施されていた。
「はぁー、退屈だなぁ。」
休日といっても特にすることはなく、今の今までずっとベッドで横になって過ごしていた。
仲の良い友人にも会えないため、休日は寝て過ごすしかしなかった。
天井に泣き顔の模様が見える。あれはシミュラクラ現象というもので三点さえあれば人の顔に感じるのだという。その模様を見て仏頂面の島崎を思い出す。
「あいつ元気にしてるかなぁ。」
一つ顔が見えると他の模様もつられて顔に見えてきた。
無数の顔が天井にびっしり敷き詰められているように感じる。
「早くみんなに会いたいなぁ。」
それぞれの顔を色々な人に当てはめる。高校の同級生、小学生の時の片想いの相手、両親。当てはめていく程寂しさを感じてしまう。
ふと窓の外を見る。どこまでも広がる青が船と私を覆いつくしていた。
SF
公開:22/08/03 19:55
更新:22/08/05 09:02

リマウチ

超ショートショート書いていきます

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