目覚まし時計

8
3

ピピッピピッ。
目覚まし時計の音が鳴る。いつもどおりの時間に規則正しく鳴るこの目覚まし時計は、俺を起こしてくれる。今日も仕事か。顔を洗い、朝食を食べて支度をする。

「いってきます」

一人暮らし。誰もいない部屋に向かっていってきますという言葉は、意味ないよなとたまに思いつつも、今日も仕事へと向かう。

次の日。ピピッピピッ。また目覚まし時計が鳴る。今日も仕事か。仕事をして家に帰って眠ってまた仕事。その繰り返しの日々。俺の一生はこのまま終わるのだろうか。

次の日になると目覚まし時計が鳴らなかった。俺は深い眠りへと誘われ、泥のように眠った。スマホが鳴った。職場からだ。

「何やってんだ!!」
「うるせえ!!もうこんな仕事辞めてやるよ!!二度と電話して来るな」

そうだ。もうやめよう。こんな仕事。オレオレ詐欺の電話をかける、かけ子の仕事なんて。俺はようやく……ようやく目が覚めたんだ。
公開:22/08/03 10:21

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容