花火師の憂鬱
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「誰も見た事のない花火を作ってみせよ!」
王が国中の花火師を集めてそう言った。
王の無茶ぶりは今に始まった事ではない。いつものように「お任せあれ」と答え、それっぽい花火を作る。そのつもりでいた。だが今回、我々は困っていた。
それもその筈…王は裸だった。全裸で堂々と「花火を作れ」と言うものだから正気を疑った。
聞くところによると王は”愚か者には見えない服”とやらを着ていたそうだが…花火師一同は誰もその服を見る事が出来なかった。
裸の王に火の粉が当たったら大変だ!そこで我々は今回、火を使わない花火を作る事にした。
煙玉。あれも立派な花火だ。色とりどりの煙でお茶を濁そう。
この時、我々は王のお小言を覚悟していた。
だが意外や意外。王は煙玉をいたく気に入ってくれた。裸の身を隠す、良い煙幕になったと。これは最高の花火だと褒めちぎってきた。
機嫌の良い王を前に、花火師達はプライドを折られ憂鬱になった。
王が国中の花火師を集めてそう言った。
王の無茶ぶりは今に始まった事ではない。いつものように「お任せあれ」と答え、それっぽい花火を作る。そのつもりでいた。だが今回、我々は困っていた。
それもその筈…王は裸だった。全裸で堂々と「花火を作れ」と言うものだから正気を疑った。
聞くところによると王は”愚か者には見えない服”とやらを着ていたそうだが…花火師一同は誰もその服を見る事が出来なかった。
裸の王に火の粉が当たったら大変だ!そこで我々は今回、火を使わない花火を作る事にした。
煙玉。あれも立派な花火だ。色とりどりの煙でお茶を濁そう。
この時、我々は王のお小言を覚悟していた。
だが意外や意外。王は煙玉をいたく気に入ってくれた。裸の身を隠す、良い煙幕になったと。これは最高の花火だと褒めちぎってきた。
機嫌の良い王を前に、花火師達はプライドを折られ憂鬱になった。
公開:22/08/02 20:54
元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。
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