花火師の憂鬱

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「僕を弟子にして下さい!」
夢の中、象に似た生き物が俺に頭を下げてきた。何だコイツ?俺が花火師って知ってそんな口叩いてんのか?
「勿論です!僕は寝ても覚めても花火の事ばかり考えている親方の弟子になりたいんです!僕は獏です!眠っている人に悪夢だけでなく、良夢も見せてあげたいんです!」
獏…確か夢を食う化物と言っていたか。面白れぇ。俺の夢、食えるものなら食ってみろ!あと俺はお前に何も教えねぇ。業ってのはな、目で見て盗んで覚えるものだ。お前にそれが出来るか?
「出来ます!僕は必ず親方のような凄い花火を作り上げて見せます!」

それから毎晩、俺は獏に花火とは何たるかを見せてやった。さすが夢の中。俺の理想が具現化する。獏にはそれを細かなところまで覚えさせた。
厳しい俺の教えについてくる獏は現実の弟子を越え、自慢の弟子となっていた。
その反面、現実では理想を追い求めるばかりに俺の弟子は皆いなくなった…
ファンタジー
公開:22/08/01 21:02

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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