リドルストーリーその後

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おれは組長の娘と恋仲になった。しかしそのことが組長にばれてしまい、激怒された組長に殺される羽目になった。
だが最後のチャンスが与えられた。二つの扉のどちらか一つを開け、その中に美女が入っていれば命は助かる。その代わりその美女と一生添い遂げなければならない。
もう一方の扉にはヒットマンが入っており、開けたらその場で撃たれ死ぬ。
おれは開ける時、こっそり組長の娘を見た。右手をそっと上げた。右の扉を開けた。

美女が入っていた。命は助かったことに安堵したものの、おれの心境は複雑だった。組長の娘はおれが他の女の元に行くのを、暗に了承したんだ。その程度の思いだったんだ。

それからのおれは、魂が抜けたようになった。厳しい見張りの下、他の女と遊ぶこともできない。スマホを持つことすら許されず、まともな職に就くこともできない。
安酒を呷り気を紛らわすことぐらいしかできなかった。なぜ左扉を選ばなかったのだ。
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公開:22/08/01 22:55

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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